ピスコの谷

決して強くはないのですが、私はアルコールがいける口。 1人でも必ず少量の晩酌を欠かさない人です。
チリに来てからは、暑い時はもっぱらビール、そして寒い夜は熱ーいピスコのお湯割り…。 チリでは安酒として知られるピスコですが、私は晩酌にする他、お菓子の香り付けにも利用しています。

さて、ピスコの里と呼ばれるエルキー谷は、ラ・セレナからアンデス山脈に向かって84キロ進み、そこから南下した一帯を指します。 サボテンしかはえていない灰色の剥き出しの山に囲まれた谷間に清流が流れ、その両側にずーっと緑のぶどう畑が広がっています。 まさに干天の中のオアシスといった感じ。 空の青さとぶどうの緑が灰色の山に反射して目に染み入るようでした。 風の強いエリアなので、ぶどう畑のあちこちに風よけのネットが等間隔に立てられていたのがめずらしかったです。 ピスコに使用するぶどうは、年間を通して乾燥しており、気温の高いところで育ったものがよいそうですが、内陸のこのエリアはまさにその条件にうってつけみたいですね…。

ちなみに右の写真は、Cochiguazu川。 なぜかピスコ=Cochiguazuというイメージが強いんですよね。 この源泉で成長したぶどうを使用してできたピスコ、ということに価値があるのでしょうか? 透明度の高い、きれいな水でしたけれども…。
84キロの地点から18キロ南下している間は、ずっと谷に添って上から川を見下ろしてきましたが、モンテグランデという村からコチワスへ行く分岐点で谷の底に降り立ちました。 ここから先は、未舗装のガタガタ道。 秘境に入っていくような感じでした。 尚、分岐点をそのまままっすぐ右に進むと、2キロのところにその名もずばり「ピスコ・エルキー」という名前のかわいらしい村があります。

ところで本題に戻ってピスコ。 途中ビクーニャという町のそばに、チリのピスコメーカーとしては有名な「CAPEL」があります。 見学可能ということで、 朝一番に行ってみました。 工場敷地内に入ったら、ピスコの香りが馥郁と漂っているんですね〜。 見学はガイド付きで、人数がある程度揃ったら随時出発するとのことでしたが、30分待っても他のお客さんが現れなかったので、ガイドのお姉さんがテイシュと私を案内してくれました。 正直言って、お姉さんの専門的な説明はおおまかにしか理解できなかったのですが、ここの見学、なかなかおもしろかったです。 ピスコはワインを蒸留したものですが、元はどんなぶどうでもよいのかという私の質問に対し、「カペルは4種類のMOSCATEL(マスカット種)をブレンドして作っているの。 でも、その4種類の中で一番上等なのはMOSCATEL ROSADAで、ALTO DEL CARMENは、このROSADAだけで作っているのよ」
私が普段愛飲しているALTO DEL CARMENは、実はカペル社のブランドのひとつだったのでした。 知らなかった…。

ちなみにワインから作る蒸留酒には3種類あって、基本はアグアルディエンテ。 これは本当ならば65度に達するほどの強いお酒ですが、蒸留水と糖分を足してアルコール度数を30度程度に弱めているそうです。 糖分は1リットルに対して5グラム以下。 そしてこれを高級木材を素材にした容器(樽)で熟成させたものをブランデーと呼ぶそうです。 アルコール度数は38度以上で糖分は1リットルにつき20グラム以下。
それでは、ピスコは? 聞いてびっくり、なんとチリ第3州と第4州で作られたアグアルディエンテのことをピスコと呼ぶらしいんですね…。 だまされたみたいというか、キツネにつつまれたような話ですが。

工場見学ツアーの最後に試飲をさせてくれますが、ここでテイシュと私は大喜びであれこれトライ。 アグアルディエンテにコーヒーやミルクをまぜたコーラ・デ・モノがおいしかったです。 それと、カペル社で販売している、ピスコサワーライトがお勧め。  レストランやパブでピスコサワーを頼むと、甘くて強いものが出てくることが多く、私は一杯でダウンしてしまうのですが、このライトは甘味が押えてあって、後口も非常にさっぱり。 へたなピスコサワーよりも断然おいしいです。 日本へのお土産にはいいかもしれないですね。


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