はじまりは店先――渋谷のTSUTAYAだった

 

 

流れていたのは軽快なサンバ。宙(そら)に踊るリズムの群れ。後に毎日肌身離

さず持ち歩くことになろうとは思いもしなかった音楽が、そう、EGO-WRAPPIN'[

エゴラッピン]の音の世界がBGMとして流れていたのだった。

 

それはそれは衝撃な出会いだった。私の中に眠っていたラテン魂×ジャズ魂がそ

の氷結を解いた。腰から何かが溶けていくのがわかった。曲はあとで知ったのだが「WHOLE

WORLD HAPPY」という名前だった。手に入れた当時は一日に少なくとも5回は聴いた。学校の授

業中も掃除の時間も半永久的に脳内をめぐるエゴサウンドに心は釘づけで、ま

さに音楽に一目惚れならぬ一耳惚れをしてしまったのだ。何度も鳥肌が立ち、心

は唄に酔いしれ、ほとんど変態と化していた自分を振り返る。懐かしい。

 

 

――これが私とエゴの出会いだった。