
航空自衛隊の主力戦術輸送機は国産C−1とロッキード製C−130Hの2機種である。
C−1は優れた飛行性能とSTOL性を有するが開発当時の政治的制約から輸送機の最重要能力である航続距離とペイロードが意図的に抑制され今日では能力が
決定的に不足している。
また、C−1を補完する目的で導入されたC−130Hも初飛行から半世紀を経過したターボプロップ機であり自衛隊の本来業務となった国際活動任務には
十分対応出来なくなった。これらの状況を踏まえ長大な航続距離と大きなペイロードを備えた新世代輸送機が是非ともに切望される様になった。平成13年度には
川崎重工業が主契約者に選定され開発が本格的にスタートした。
次期輸送機C−Xは海上自衛隊の次期固定翼哨戒機P−Xと部品等の一部を共用として開発コストを低減させる事になった。
C−1が開発された昭和40年代とは時代が大きく変貌し21世紀の輸送機であるC−Xには長大な航続距離と大きなペイロードが要求され機体サイズもC−1を
大きく上回る。
| XC−2 | 約30t積載で航続距離約6.500km |
|---|---|
| C−130H | 約20t積載で航続距離約4.000km |
| C−1 | 約8t積載で航続距離約1.500km |
C−XはC−1と同レベルのSTOL性を要求されており高揚力装置として前縁フラップと後縁ファウラー・フラップの組み合わせを採用した。 コクピットはデジタル式のグラス・コクピットでNVG(暗視眼鏡)対応。また、空中受油能力を有する。 C−XはペイロードもC−1やC−130Hを凌駕しており両機種では搭載出来なかった多用途ヘリコプター UH−60や野外手術システム、化学防護車、 重レッカ、中型ドーザ等の重量器材も搭載可能。
※平成23年度予算以降、量産機の調達が本格化した
C−Xは機体強度不足問題などで開発スケジュールが遅れたが平成22年1月26日には初飛行が行われ名称もXC−2となった。平成23年度予算で量産機2機の 予算が計上され24年度予算でも2機が計上された(量産機はC−2となる)。
(写真右)XC−2用のターボファン・エンジンCF−6−80C2K1F
XC−2用エンジンには米ジェネラル・エレクトリック社製のターボファン・エンジンCF−6−80C2K1Fが選定された。同エンジンは世界中の軍用機・ 民間機で採用されている傑作エンジンで空自でも特別輸送機B−777−400や空中給油機KC−767Jに搭載されている。同型エンジンの採用で整備点検も 有利となる。
製作
・機体 川崎重工業
・エンジン ジェネラル・エレクトリック
全幅 44.4m
全長 43.9m
全高 14.2m
最大離陸重量 141t
最高速度 0.8マッハ
搭乗員 3名
海鷲の末裔