

(写真上)岩国フレンドシップデー2010に参加し飛行展示を行うU−2S「ドラゴン・レディ」
最高レベルの機密に属するU−2はほとんど一般の眼に触れる事はないが平成22年の岩国フレンドシップデーに予告なしで登場し観客を驚かせた。
U−2「ドラゴン・レディ」はCIA予算で開発された高高度偵察機でロッキード社で1950年代に開発され1955年8月に初飛行が行われた。
同じロッキード製の戦闘機F−104をベースに開発されており敵戦闘機の追撃を振り切り高高度から敵対国の軍事情報等を収集する為のスパイ飛行が主任務である。
一見すると双発機に見えるが原型のF−104と同じく単発機である。
何よりも高高度性能が重視された設計で高度25.000〜27.000m付近からの写真撮影を行う。当初はCIAと米空軍で運用されていたが後に空軍のみの
運用となった。U−2は偵察衛星よりはるかに地表近くから撮影出来るのでアメリカにとっては敵対国の情報を得る為の極めて有力な手段であったと考えられる。
U−2はしばしば旧ソ連や中国、北朝鮮上空に侵入し貴重な撮影データを取得したが共産圏諸国にとっては国家の重要機密を盗み撮りされる
目の上のタンコブ的な存在であり常に撃墜を意図して防空体制を強化していた。
実際、共産圏の地対空ミサイルにより何回かのU−2撃墜事件が発生、重大な国際問題を生じさせる原因になったのである。
U−2は共産圏の戦闘機や地対空ミサイルの性能が向上してくると侵入偵察が難しくなったが偵察機材・アビオニクスの進化で敵地に接近しなくても比較的安全な空域から 偵察や情報収集が可能となりその事がU−2の兵器としての寿命を延長させる事となった。他の偵察手段・情報収集能力が急速に発達する中においてもU−2は 米空軍の現役に残り続け21世紀まで生き永らえる事になったのだ。現在、現役にある機体は全てエンジンをF118−GE−101に換装し飛行性能を向上させた U−2Sになっている。また、U−2から発展した戦術偵察機TR−1が作られた。長年に渡りアメリカの情報収集の中核を担ってきたU−2であるが最近では流石に 老朽化しており近い将来に退役が予定されている。
製作
・機体:ロッキード
・エンジン:ジェネラル・エレクトリック
全幅31.39m
全長19.13m
全高4.88m
最大離陸重量18.598s
エンジン:ターボファン×1(搭載エンジン:GE製:F118−GE−101)
推力:8.390s
最大速度0.8マッハ
乗員1名