戦闘給糧艦「マーズ」級
T−AFS MARS class

(写真上)横浜港に入港する「サンノゼ」
典型的な三島型船型である。

※空母機動部隊にドライ・カーゴを洋上補給するアメリカ海軍ならではの艦種

戦闘給糧艦「マーズ」級は弾薬や燃料以外の液体貨物や糧食、一般消耗品、艦船や航空機用の予備部品などのドライ・カーゴを洋上補給する 補給艦として1963年から70年にかけて7隻が建造された。
本級は設計当時としては最新で高度な補給効率を追及した補給艦として注目されたが、膨大な物品の補給を必要とする空母機動部隊を有する アメリカ海軍にとってはなくてはならない艦種でもあった。速力も20ノットと補給艦としては高速であるがこれも空母部隊に随伴する為である。 搭載する補給品は約25.000品目にも及び、ドライ・カーゴ2.625t、冷凍貨物1.300tの計3.925tの載貨能力を持つ。 中央部に艦橋構造物を配置する当時の一般的貨物船と同様の船型で後部にはヘリ格納庫とヘリ甲板を備えヘリコプターによる空輸 (ヴァートレップ)を重視した設計である事が伺える。船内には5つの貨物艙が設けられおり搭載貨物はエレベータやコンベヤーを 使用して上甲板に設置された甲板室に運ばれそこから各補給ステーションに分配される。

※最近では見かけなくなった三島型船型を採用

「マーズ」級は艦首に船首楼、中央部に艦橋、艦尾に船尾楼を持つ典型的な三島型船型を採用している。
この三島型は20世紀前半から中期には世界中の船舶で採用された船型であるが最近では全く見かけなくなった。

(写真左)横浜ノースドックに接岸中の「サンノゼ」
艦橋構造物に増築されているのは居住区

(写真左))「マーズ」級は片舷5基ずつ計10基の補給ステーションを有する。
この補給ステーションはキングポストをM字型フレームで 連結した形状をしている。因みに艦橋直前の3番ステーションは液体貨物専用になっている(現在は液体貨物は搭載していない模様)。

「マーズ」級は同時期に建造された貨物揚陸艦「チャールストン」級によく似た大きさと外観である。本級は新造時には76mm連装砲4基 を有していたが後に2基に減らされ更にMSC移管時には全て撤去され現在は非武装。既に多くの艦が退役しており現役に残るのは「コンコード」と「サンノゼ」 の2隻のみとなっている(「コンコード」は退役したとの情報もあるがハイチ地震救助に出動した模様)。

マーズT−AFS−1 1963年12月竣工 1998年2月退役
シルヴァニアAFS−2   1964年7月竣工 1994年5月退役
ナイアガラ・フォールズT−AFS−3 1967年4月竣工 2008年9月退役
ホワイト・プレーンズAFS−4   1968年11月竣工 1995年4月退役
コンコードT−AFS−5  1968年11月竣工
サンティエゴT−AFS−6 1969年5月竣工 1997年12月退役
サンノゼT−AFS−7  1970年10月竣工

満載排水量15.900〜18.662t
全長177.1m
幅24.1m
喫水7.9m
主機/軸数:蒸気タービン1基/1軸
出力:22.000馬力
速力20ノット
ヘリコプター2機搭載
乗員
 民間人123〜134名 海軍軍人29〜49名

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