
海上自衛隊では長らく涙滴型船型を採用した潜水艦が建造されて来たが平成5年度計画艦からは船体中央両舷に
フランク・アレイ・ソナーを装備した葉巻型船型を採用した潜水艦が建造されるに至った。これが「おやしお」型である。
「おやしお」型の船型の特徴は艦前後部は複殻、中央部が単殻という部分単殻構造を採用した点にある。これは前記の通り船体そのものをソナーとする
フランク・アレイ・ソナーの装備を考慮した結果である。このソナーに加えて艦尾に装備された曳航式ソナー(TASS)、艦首部
に装備されたバウ・ソナー、逆探ソナーなどから本艦型のソナー・システムZQQ−6Bが構成されている。
このソナー・システムから得られた情報を処理するのが戦闘指揮システムZYQ−3で能力的には世界水準にあるシステムと言える。
涙滴型では魚雷発射管は艦中央部にあったが「おやしお」型では艦中央部にフランク・アレイ・ソナーが装備された為に発射管室は
艦首部に設けられている。
(写真右)「おやしお」型は艦首に魚雷発射管6門を装備している。
艦中央部にはフランク・アレイ・ソナーが装着されている。
(写真左)横須賀沖で撮影した10番艦「せとしお」
(写真左)横須賀基地に入港する「おやしお」型
乗員は潜水艦乗員用の個人脱出救命胴衣を着用している。
(写真左)この写真でセイルから伸びているはZPS−6対空レーダー
艦首部に見える突起物は逆探ソナー用ドーム
(写真左)横須賀基地で撮影した9番艦「やえしお」
この写真でセイルから伸びているのは哨戒潜望鏡。この写真では格納されていて見えないが他に襲撃潜望鏡が装備されている。
「おやしお」型はステルス性も重視されておりセイルや船体にテーパーがかけられている。また、セイルには無反響タイルが装備
されている。
「おやしお」型は優れた設計であり通常型潜水艦としては世界ランクの性能を持つ。同型艦数も海自が建造した潜水艦としては最多の
11隻を数える。既に建造は終了しているが本艦型をベースにしたAIP潜水艦「そうりゅう」型の建造が行われている。なお、海自潜水艦戦力増勢の方針により
「おやしお」型の艦齢延長が見込まれている。
| おやしお | SS−590 平成5年度計画 川崎重工神戸 平成10年3月16日竣工 |
|---|---|
| みちしお | SS−591 平成6年度計画 三菱重工神戸 平成11年3月10日竣工 |
| うずしお | SS−592 平成7年度計画 川崎重工神戸 平成12年3月9日竣工 |
| まきしお | SS−593 平成8年度計画 三菱重工神戸 平成13年3月29日竣工 |
| いそしお | SS−594 平成9年度計画 川崎重工神戸 平成14年3月14日竣工 |
| なるしお | SS−595 平成10年度計画 三菱重工神戸 平成15年3月3日竣工 |
| くろしお | SS−596 平成11年度計画 川崎重工神戸 平成16年3月8日竣工 |
| たかしお | SS−597 平成12年度計画 三菱重工神戸 平成17年3月9日竣工 |
| やえしお | SS−598 平成13年度計画 川崎重工神戸 平成18年3月9日竣工 |
| せとしお | SS−599 平成14年度計画 三菱重工神戸 平成19年2月28日竣工 |
| もちしお | SS−600 平成15年度計画 川崎重工神戸 平成20年3月6日竣工 |
基準排水量 2.750t
満載排水量 3.500t
全長 82.0m
幅 8.9m
深さ 10.3m
喫水 7.4m
主機/軸数 ディーゼル2基、主電動機1基(搭載主機:川崎12V25/25S)/1軸
水中出力 7.750馬力
速力
・水上 12ノット
・水中 20ノット
兵装
・533mm魚雷発射管6門(魚雷、ハープーン兼用)
乗員 70名