
陸自に193機も導入されたOH−6D
陸上自衛隊では昭和44年度から老朽化した観測ヘリコプターH−13と観測機L−19を更新する為に観測・偵察用小型ヘリコプターの導入を計画した。
複数の候補機種の中から米ヒューズ社製軍民共用型ヘリコプターOH−6Aを観測用ヘリコプターとして採用し川崎重工でライセンス生産を行った。
OH−6Aはアメリカ陸軍軽観測ヘリコプターLOH計画によりヒューズ社が開発した小型軽量で生産性にも優れた合理的設計の傑作機で後のヘリコプター開発に
多大な影響を与え世界中の軍官民で広く使用された。陸自で使用された機体はOH−6Jと呼ばれた。
OH−6Jの生産は昭和52年度で終了し昭和53年度発注分からは性能を向上させた改良型のOH−6Dの導入が 開始された。D型の主な改良点は以下の通り。
@エンジンを出力強化型のアリソン250−C20Bに換装
AメインローターをJ型の4枚から5枚に換装
B尾翼安定版の形状をJ型のV字形から横風安定性に優れたT字形に変更
D型の生産は平成9年度までの長期間に渡った。陸自では弾着観測、偵察、連絡、初等教育等に使用され海上自衛隊でも練習機として使用された。 後期生産型では各部に改良が行われ赤外線照射装置、NVG夜間対応 コクピットなどの装備の追加が行われている。OH−6Dは陸自向けに193機、海自向けに14機が導入されたが既に調達終了しており初期生産機から 用廃が進んでいる(海自機は既に全機退役)。後継となる国産開発のOH−1は高価な為に配備が進まず僅か34機で調達終了してしまいOH−6Dを 更新する事が出来なかった。OH−6Dも当面は運用が維持されると思われる。
軽量小型のOH−6Dは人力で移動出来る
最大全備重量が約1.3tと普通乗用車なみの軽量であるOH−6Dはご覧の様に人力で移動出来る。
但し、ランディング・ギアはスキッド式なので車輪を咬ます必要がある。なお、後継機であるOH−1は約4tあり牽引車で牽引する。
(写真左)横田基地で撮影したOH−6D
既に後継機となる国産開発のOH−1の配備も進んでいるがOH−6Dも今後相当長期間に渡り運用される。
(写真左)
機首下部左右に装備されているのは赤外線照射装置
OH−6Dの後期生産型は夜間作戦能力が大幅に向上している。
製作
・機体 川崎重工(ライセンス生産)
・エンジン 米ロールス・ロイス・アリソン社
メインローター直径 8.05m
胴体幅 2.07m
全長 9.54m
胴体長 7.09m
全高 2.73m
最大全備重量 1.361s
エンジン アリソン250−C20B
エンジン出力 375shp
最大速度 281km/h
巡航速度 240km/h
航続距離 約550km
乗員
・パイロット1名 便乗者3名
海鷲の末裔