
エアクッション艇は輸送艦「おおすみ」型に搭載する目的でアメリカから有償軍事援助FMSで6隻調達された。
国産開発の計画もあったが費用効果など総合的な見地からFMS調達とされた経緯がある。自衛艦は長らく国産建造が行われていたので久しぶりの外国製である。
一般にはアメリカ海軍での制式名称であるLCAC(エルキャック)の名で知られている。海自が装備するのはアメリカ海軍のLCAC−1級同型艇である。
因みに韓国海軍の揚陸艦「ドクト」に搭載される「ソルゲ」型LCACはLCAC−1をベースに開発され仕様に若干の差異がある。
※アメリカ海軍の揚陸作戦の構想から生まれたLCAC
LCACはアメリカ海軍が構想する高度な両用作戦の一環 として沿岸からの反撃が及ばない沖合いに展開した揚陸艦から戦車や兵員を迅速に上陸させる為に開発されたエアクッション型揚陸艇であり4基のガスタービン・エンジン (2基は浮上用、2基は推進用)を搭載して速力40ノット(満載状態)で航行出来る。搭載能力は戦車なら1両、軽車両なら4両、貨物なら60t(最大75t) で兵員は24名搭乗可能。兵員搭乗時には専用のコンテナをデッキ上に設置する必要がある。船質はアルミ合金を採用し艇尾には推進用ファン2基を装備している。
※LCACは高性能だが問題点も多い
LCACは高性能ながらデリケートな構造で航空機なみの整備が必要であり燃費も悪く大戦型上陸用舟艇の様に簡便に運用する事が出来ないのが 最大の問題点でもある。ガスタービン・エンジンの騒音も大きく隠密作戦に向いているとは言えない。 また、LCACは機動性は抜群だが搭載能力はそれほどでもない。アメリカ海軍では往来型の揚陸艇も依然として併用 されている。海自では往来型揚陸艇は姿を消しているが運用面では両者の併用が望ましいであろう。 なお、「おおすみ」型には2隻のLCACが搭載されている。当初は搭載艇扱いであったが平成16年4月に 第1輸送隊隷下に第1エアクッション艇隊が編成され6隻全てが自衛艦扱いになった。
(写真左)後方から見たエアクッション艇「1」号
推進用ファンの大きさが実感出来る。
(写真左)左舷側から見たエアクッション艇「2」号
(写真左)輸送艦「おおすみ」のウエル・ドック内に格納されたLCAC
「おおすみ」型には2隻搭載される。
(写真左)LCACの内部
乗員は航空機用に類似したヘルメットを着用する。
前記したとおりLCACは高度な整備が必要であり海上自衛隊では江田島にLCAC整備所を設け整備等の支援任務を行っている。海自ではLCAC配備から 10年以上経過しているが当面は運用が維持される模様であり平成23年度以降、逐次延命工事が実施される予定になっている。
| エアクッション艇1号 | LCAC−2101 平成5年度計画 米テクストロン社 平成10年3月11日搭載艇として就役 平成16年4月8日に自衛艦に区分変更 |
|---|---|
| エアクッション艇2号 | LCAC−2102 平成7年度計画 米テクストロン社 平成10年3月11日搭載艇として就役 平成16年4月8日に自衛艦に区分変更 |
| エアクッション艇3号 | LCAC−2103 平成11年度計画 米テクストロン社 平成14年3月12日搭載艇として就役 平成16年4月8日に自衛艦に区分変更 |
| エアクッション艇4号 | LCAC−2104 平成11年度計画 米テクストロン社 平成14年3月12日搭載艇として就役 平成16年4月8日に自衛艦に区分変更 |
| エアクッション艇5号 | LCAC−2105 平成12年度計画 米テクストロン社 平成15年2月26日搭載艇として就役 平成16年4月8日に自衛艦に区分変更 |
| エアクッション艇6号 | LCAC−2106 平成12年度計画 米テクストロン社 平成15年2月26日搭載艇として就役 平成16年4月8日に自衛艦に区分変更 |
基準排水量 100t
満載排水量 180t
全長 26.8m(オンクッション時)
幅 14.3m(オンクッション時)
喫水 1.0m(ハルボーン時)
主機/軸数 ガスタービン4基(浮上用2基、推進用2基)/2軸
出力 16.000馬力
速力 40ノット(満載時)
乗員 5名
海鷲の末裔
■ピットロード■1/144海上自衛隊エアクッション型揚陸艇LCAC1号型【プラモデル】4986470012995