
CH−47JはKV−107の後継機として昭和59年度(1984年度)から調達が開始された陸上自衛隊の大型輸送ヘリコプターである。
陸自では1980年前半から老朽化したKV−107の後継となるCH−Xの選定作業を進めておりバートル製CH−47Dモデル414と
シコルスキー製CH−53Eの2機種が最終候補に残っていた。CH−Xに対する陸自の要求性能は以下の通りであった。
@物資等9t以上搭載で行動半径200km以上(155mm榴弾砲FH70空輸を考慮したもの)
A対戦車ヘリAH−1Sに対する対戦車ミサイルTOWなどの補給
B対空ミサイル中隊の展開
C普通科部隊のヘリボーン空輸
D救難捜索、災害救助派遣等
CH−47Dモデル414とCH−53Eはいずれも陸自要求性能を満たしていたが陸自で長年使用され十分に実績のあったKV−107と
同じバートル社製のタンデム・ローター機であるCH−47を押す声が強く昭和58年8月にCH−47Dモデル414が
正式にCH−Xとして採用が決定された。
日本向けの機体はCH−47Jと呼称され川崎重工でライセンス生産されることになった。
昭和59年度予算で最初の2機が調達され最終的に34機が導入された。35号機からは燃料タンクを増設した改良型の
CH−47JAが導入されている。
(写真左)CH−47Jは飛行中に機体後部のカーゴ扉を開いて空挺隊員や物資の空中投下が可能
(写真下)軽装甲機動車を空輸するCH−47J 本機の機外最大吊り下げ能力は約12,7tに達する。155mm榴弾砲FH70の他、120mm迫撃砲RTと重迫牽引車の同時空輸も可能になっている。
CH−47JはKV−107と外観はよく似ているが搭載量は大幅に増加しており最大兵員搭載数はKV−107の26名に対して 55名となっている。CH−47系は航空自衛隊でも空輸/救難用として導入されているが陸自機とは仕様に若干の差がある。CH−47系 は21世紀の今日でも世界水準にある輸送ヘリで自衛隊でも今後相当長期間に渡り運用されていくと思われる。
(写真左)CH−47Jの胴体
コクピット右舷側が操縦士席、左舷側が副操縦士席。機首に突き出しているのはピトー管。下部透視窓の様子も分かる。
バルジの膨らみはCH−47JAに比べると少ない。
(写真左)
機体内部の貨物室には高機動車も格納出来るが車幅はぎりぎりの状態。搭載する際にはかなりの運転テクニックが
要求される。
製作
・機体 川崎重工
・エンジン 川崎重工
メインローター直系(3枚×2)18.29m
全幅 18.26m
胴体幅 3.78m
全長(ロータ含む) 30.18m
胴体長 15.54m
全高 5.69m
最大全備重量 22.680s
エンジン ターボシャフト・エンジン(搭載エンジン:ライカミングT55−K−712)
出力 4.336shp×2
巡航速度 267km/h
実用上昇限度 2.674m
航続距離 約540km
乗員 3名プラス便乗者最大55名
海鷲の末裔