戦闘機F−15J @
MITSUBISHI F−15J No.1

(写真上)第304飛行隊のF−15J(32−8821)
昭和55年度予算で調達され58年度に取得された機体。既に27年あまりも第一線にある。

マクドネル・ダグラス社がベトナム戦争の戦訓を取り入れ制空任務を第一義として開発した米空軍の戦闘機F−15は航空自衛隊でも主力要撃戦闘機として採用され 今もその地位に揺らぎはない。我が国では次期主力戦闘機(第3次F−X)選定作業を経て昭和52年(1977年)12月28日の国防会議で海上自衛隊哨戒機 P−3Cと共に採用が決定された。F−104Jの減勢とF−4EJの後継機を兼ねるF−Xの候補には次の7機種があげられていた。

・グラマンF−14
・マクドネル・ダグラスF−15
・ジェネラル・ダイナミックスF−16
・ノースロップYF−17
・ダッソー・ブレーゲ「ミラージュF1」
・パナビアMRCA「トーネードー」
・サーブ37「ビゲン」

欧州製機は当初から参考程度であり双発機重視の空自の要求から推測すれば有力候補機はF−14とF−15の2機種に事実上決まっていた、と言える。
F−14は海軍機の名門グラマン社が開発した空母用艦上戦闘機であり60年代に研究が進んでいた当時の先端技術である可変翼の採用と長射程空対空ミサイル 「フェニックス」を搭載し艦体防空任務を最重視した設計であった。また、F−14はF−4と同じく複座機であり前席に操縦手、後席にはレーダー管制士官が搭乗した。 米海軍はF−4の成功から複座の利点を評価したのであろう。 一方、米空軍が制式採用したF−15は双発・双垂直尾翼を採用している点で外観はF−14と似ているが単座機で主翼は肩翼クリップトデルタ翼を採用 するなど実用性本位の堅実な設計であり革新的な技術導入を図ったF−14と比較すると両者には同じ米軍戦闘機(海軍と空軍の要求の違いを考慮しても) でも考え方に大きな隔たりがあった事が分かる。 F−14は時代を代表する戦闘機でありその高性能には疑いの余地はないが可変翼採用などで調達価格が高騰し(F−15も高いがそれ以上に高い)メンテナンス面でも F−15に比べ分が悪かったのかもしれない。推力に十分な余裕があるF−15に比べてF−14は推力不足という声も度々聞かれた。

エンジン推力の比較
・F−14A ドライ時:54.92kN×2 アフターバーナー時:92.97kN×2
・F−15A ドライ時:64.9kN×2  アフターバーナー時:105.7kN×2

価格面の他、兵器としての実用性などを考慮すると第3次F−XにおいてF−14よりもF−15が高く評価された事は容易に想像出来る。 海外でもF−14は米海軍以外では帝政イラン空軍のみで採用されたに留まり米軍での運用期間もF−15に比べるとはるかに短いものとなった(アメリカ海軍では 2006年9月に完全引退)。F−15は米空軍 をはじめ日本、イスラエル、サウジアラビアで採用され発展型である戦闘爆撃機型のF−15Eも開発されている。韓国やシンガポールではF−15Eの独自改良型 が採用された。今後も改良が加えられ長期に渡り使用されるであろうF−15シリーズに比べるとF−14は不運な戦闘機であったと言える。 実用性を重視した堅実設計(F−15)にすべきか、革新的技術導入(F−14)にするべきかの選択が両者の運命を決めた、と言えるかもしれない。 その意味からも空自がF−15を採用した事は正しい決断であったと評価出来よう。

(写真左)第204飛行隊のF−15J(82−8999)
昭和60年度予算で調達され63年度に取得

空自では昭和53年度予算から調達が開始され1号機は昭和55年7月15日マクドネル・ダグラス社セントルイス工場において空自に引き渡された。この1号機は 米空軍シリアル・ナンバー(AF79-280)が与えられており胴体には空自所属を示す”J001”というナンバーが記入されていた。この機体は日本到着後に(02-8801)の シリアル・ナンバーに書き換えられている。F−15Jの調達は平成7年度(1995年度)まで続き平成10年(1998年)11月に最終号機(82-8965)が 納入された。F−15Jの総数は165機(輸入2機、ノックダウン8機、ライセンス生産155機)であった。

※空自仕様機F−15J

空自が導入した機体は米空軍のF−15CをベースにしたF−15Jである。
米軍は機体は供与したが電子戦装備の幾つかが機密上の問題から対日供与されずこれらを代替する装備が国産開発された。

・レーダー警戒装置J/APR−4
・ECM装置J/ALQ−8
・後方警戒装置J/APQ−1
・バッジシステムリンク装置J/ASW−10

これらにライセンス生産されたチャフ/フレア・ディスペンサーAN/ALE−45を加えて日本版電子戦システムJ/TEWSを構成している。 F−15の”眼”となる火器管制レーダーはC型と同じAN/APG−63が供与されF−4搭載のAN/APQ−120では望むべきもなかったルックダウン/ シュートダウン能力を得る事になった。空対空ミサイルも最新のAIM−7F「スパロー」、AIM−9L「サイドワインダー」を搭載。AN/APG−63は 対地攻撃モードも可能でありF−15Jは500ポンド爆弾6〜8発を搭載した爆装でも任務に従事出来る(爆弾を搭載しての対地攻撃訓練は行われていないらしい) 。F−4EJでは政治的判断で取り外された空中給油装置もF−15Jでは装備されたままの導入であった。F−15導入に至って 日本もようやく軍事的な常識が通用する国になったようである。

(写真左)エアブレーキを使用しながら低速飛行する第305飛行隊のF−15J(82−9209)

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F−15のエアインテイクは可変式。空気吸入量を自動調整出来る。エンジン性能を引き出す為に欠かせない機能。

(写真左)翼下パイロンに装着された90式空対空誘導弾AAM−3
胴体ランチャーにはAIM−7M「スパロー」。空対空ミサイルは赤外線誘導、レーダーホーミング各4発搭載が標準装備。 センターパイロンにはハイGタンク(増槽)が搭載されている。主翼右舷側付け根部分には20mm機関砲の銃口部がある。

(写真左)F−15用アフターバーナー付きターボファンエンジンP&W F100−IHIー100
平成6年度納入分以降の機体は電子式制御機能を付与したF100−IHI−220Eに換装されている。

※日本版F−15近代化改修J−MSIP

F−15は米空軍・航空自衛隊の他、イスラエル、サウジアラビア、韓国、シンガポールでも採用されたがアメリカでの初飛行から30年以上が経過しており 各種の近代化・能力向上が実施されている。
F−15Jは米空軍の多段階改良計画MSIPに応じたJ−MSIPと呼ばれる改良が段階的に実施されている。火器管制レーダを現有のAN/APG−63 から電子戦能力を向上させたAN/APG−63(V)1に換装される。セントラル・コンピューターも新型に換装。また、国産開発の99式空対空誘導弾 AAM−4を搭載。 F−15JはF−4を大きく上回る機体寿命があり 今後も相当長期間に渡り運用されていくと思われる。

※ボーイング社が提案する空自向けF−15発展型

難航する航空自衛隊次期戦闘機F−Xの候補機としてボーイング社はF−15E「ストライク・イーグル」をベースにした発展型を2機種提案している。現時点では 実現の目処は全く不透明であるが空自F−X候補としては最もリスクが少ないと見られている。

F−15FX・・・空自専用でステルス性は考慮されていない。
F−15SE「サイレント・イーグル」・・・日本をはじめF−15採用国に提案されており第5世代機に近いステルス性が考慮されている。

製作
・機体:三菱重工(ライセンス生産)
・エンジン:石川島播磨重工(ライセンス生産)
全幅13.05m
全長19.43m
全高5.63m
最大離陸重量30.600s
エンジン:ターボファン×2(搭載エンジン:P&W F−100−IHI−100)
最大速度2.5マッハ
航続距離約4.600s
固定武装
・20mm機関砲M61A1×1
乗員1名

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1/48 航空自衛隊F-15Jイーグル

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