護衛艦「たかなみ」型@
DD TAKANAMI class No.1

(写真上)東京城南島付近を航行中の「たかなみ」
本艦は「たかなみ」の艦名を冠した3代目である。初代はルンガ沖夜戦で奮戦した帝國海軍の夕雲型駆逐艦「高波」、2代目は昭和33年に竣工した「あやなみ」型 護衛艦「たかなみ」であった。因みにハル・ナンバーは2代目と3代目の本艦は同じ”110”を採用している。

主砲を強化し垂直ミサイル発射装置VLSの型式を統一した改「むらさめ」型護衛艦

高波 大波 巻波 漣 涼波
「たかなみ」型は「むらさめ」型のマイナーチェンジ型の凡用護衛艦で5隻建造された。
ステルス性は「むらさめ」型と同様に英海軍の23型フリゲイトと同レベルであり米海軍の「アーレイ・バーク」級には及ばないがバランスの取れた兵装体系 や優れた情報処理能力など世界水準にある水上戦闘艦艇と評価出来る艦である。 「むらさめ」型との最大の変更点は艦砲威力の増大が切望された事に鑑み主砲が76mm砲から127mm砲に強化された事、「むらさめ」型では 垂直ミサイル発射装置VLSがアスロック用Mk41と短SAM用Mk48の2型式に別れ艦橋前と艦中央部に2分されて配置されていたものをMk41に統一し艦橋前に 集中装備した事の2点である。
また、この2点により全体のアレンジも多少変更されている。「むらさめ」型では艦橋前のVLSは船体内にすっきり納まっていたが「たかなみ」 型では1基(32セル)が集中装備されたので船体内に収まり切れずに01甲板レベルの一段高い配置になっている。
中央部のVLSが廃止された事により、90式対艦ミサイル発射筒の装備位置も「むらさめ」の第1煙突直後からミサイル発射時の影響が少ない 第2煙突直前に変更されている。この措置によりブラスト・ガードは廃止されている。


「たかなみ」型艦橋付近

(写真左)「さざなみ」の右ウイングに装備された12cm双眼鏡

(写真左)「さざなみ」旗甲板の信号機掛け

(写真左)「さざなみ」艦橋内部の操舵主機管制装置、電子海図モニターが標準装備

(写真左)「たかなみ」艦橋内部の海図台

ネームシップ「たかなみ」の艦首から艦尾

(写真上)横須賀港吉倉桟橋で撮影した「たかなみ」
ソマリア沖海賊対処任務の為、艦橋には防弾板が装着されている。マスト下段両舷には電子戦装置NOLQ−3が装備されている。艦橋トップには 射撃指揮装置FCS−2型31Bが装備。艦橋直前02甲板上には前部20mmCIWSが装備されているが両舷側に射撃可能。

(写真上)「たかなみ」の艦中央部
「たかなみ」型は船体にテーパーがかけられアイランド構造物は直線デザインが取り入れらるなどステルス性には十分留意されている。 しかし、マストは在来型設計である。この点については「たかなみ」型計画時にも大きな問題として認識されステルス性の高い新型マストの採用も検討されたが 重量増などが指摘され実現を見なかった。但し材質や塗料などある程度のステルス性は考慮されているらしい。

「たかなみ」型の指揮管制システムは「むらさめ」型のものをベースにしているが兵装の一部変更に伴い改良されたものになっている。システムの中核になる 戦術情報処理装置はOYQ−9が装備、データリンクは1〜4番艦はリンク11だが5番艦は能力向上型のリンク16を装備(1〜4番艦も 逐次換装される)。

「たかなみ」型は「むらさめ」型とよく似た外観であるが艦橋直前のVLSが一段高い01甲板レベルに配置され艦中央部の90式 対艦ミサイルの装備位置も変更されている。 「たかなみ」型の主機は「むらさめ」型と同じで2型式(LM2500、スペイSM2C)のガスタービン4基を搭載するCOGAGを採用している。 機関部の配置は「むらさめ」型と若干の差異がある。

(写真左)右舷側艦尾付近から見た「たかなみ」
ヘリコプター格納庫上には後部20mmCIWSが装備されている。


(写真上右)「たかなみ」飛行甲板
「むらさめ」型との大きな変更点の一つにヘリコプター着艦拘束装置として新型のE−RASTが装備された事があげられる。 「むらさめ」型もSH−60系ヘリを2機搭載出来る格納庫を持っているが着艦拘束装置は移送レールが1本の在来型であった。 「たかなみ」型のE−RASTは移送レールが2本になりヘリコプター2機の効率的運用が行えるようになった。 「たかなみ」型では当初から哨戒ヘリコプターSH−60Kの搭載が考慮されており「むらさめ」型に比べて格納庫容積が拡大されヘリ搭載用の 「ヘルファイヤ」対艦ミサイルや対潜爆弾の弾庫が設置されている。
艦尾左舷側の四角いハッチは曳航ソナーOQR−2の格納扉。 右舷側の2つのラッパ状の物体は対魚雷デコイの曳航具4型の繰り出し口。

「たかなみ」型の砲煩兵装、各種艤装

(写真上左)「さざなみ」54口径127mm単装速射砲  イタリア・OTOブレダ社製を日本製鋼所でライセンス生産 

(写真上右)「さざなみ」ヘリ格納庫上に装備された高性能20mm機関砲
写真は対水上目標射撃能力を付与された最新型のMk15ブロック1Bと呼ばれるタイプ。

(写真上左)「さざなみ」カプセル式救命ボート (写真上中)「さざなみ」消火装置 (写真上右)「さざなみ」右舷側の給油ホース

※平成23年度以降、搭載短SAMの近代化が予想される

現時点では「たかなみ」型の搭載短SAMはシー・スパローであるが平成22年度までに「むらさめ」型全9艦に対する発展型シー・スパローESSM換装工事が終了 したので平成23年度以降、本クラスも同様の近代化が行われると予想される。

本クラスの後継として「あきづき」型が建造される

「たかなみ」型の建造は既に終了しており全艦が就役している。今後は本クラスをベースにステルス性を一段と高めた5.000t級の「あきづき」型護衛艦が建造される。 「あきづき」型は射撃指揮装置FCS−3Aを搭載した対空戦闘能力強化型DDで汎用型であった「むらさめ」型や「たかなみ」型とはやや性格を異にする護衛艦と 言える。


たかなみ DD−110 平成10年度計画 IHI MU浦賀 平成15年3月12日竣工
おおなみ DD−111 平成10年度計画 三菱長崎 平成15年3月13日竣工
まきなみ DD−112 平成11年度計画 IHI MU横浜 平成16年3月18日竣工
さざなみ DD−113 平成12年度計画 三菱長崎 平成17年2月16日竣工
すずなみ DD−114 平成13年度計画 IHI MU横浜 平成18年2月16日竣工

基準排水量 4.650t
満載排水量 6.300t
全長 151.0m
幅 17.4m
深さ 10.9m
喫水 5.3m
遮浪平甲板型
主機/軸数 ガスタービン4基COGAG/2軸 (搭載主機:LM2500、スペイSM1C)
出力 60.000馬力
速力 30ノット
兵装
 127mm単装砲1基、20mmCIWS2基、90式対艦ミサイル4連装発射筒2基、Mk41VLS(シー・スパロー、アスロック兼用) 1基(32セル)、3連装短魚雷発射管2基
SH−60J/K哨戒ヘリコプター1機(最大2機搭載可能)
乗員 176名

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海鷲の末裔



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