空母「キティ・ホーク」級
CV KITTY HAWK class

(写真上)横須賀基地で撮影した「キティ・ホーク」

「フォレスタル」級を改良したスーパー・キャリアー第二陣

「キティ・ホーク」級空母は「フォレスタル」級に次いでアメリカ海軍がジェット機の運用を考慮して4隻建造した超大型空母”スーパー・キャリアー”の 第二陣である。アメリカ軍の最重要戦力として長く第一線にあった。「フォレスタル」級に比べてアイランドやエレベーターの位置を変更するなどして艦載機の 発着艦や飛行甲板上での艦載機の運用などの効率が大幅に改善されており改「フォレスタル」級と言うべき存在である。「キティ・ホーク」級は1,2番艦と 3,4番艦では建造時期に開きがあるため多少要目などが異なる。

(写真上左)「キティ・ホーク」右舷舷側部
「キティ・ホーク」級は飛行甲板における艦載機運用の効率を改善した為に「フォレスタル」級に比べて艦橋が後方に位置 しており、識別点になっている。

(写真上右)「キティ・ホーク」格納庫

「キティ・ホーク」級は動力以外は空母としてほぼ完成形となった

※舷側エレベーター

第二次大戦中にアメリカ空母の標準装備となり艦載機の運用効率や被曝・火災に対する抗甚性の向上に大きく貢献した舷側エレベーターは 「フォレスタル」級から「ジェラルド・フォード」級まで継承されている。「キティ・ホーク」級では左舷後部に1基、右舷艦橋前に2基、艦橋後部に1基 が配置されている。

※斜め飛行甲板及び蒸気カタパルト

舷側エレベーターと共に近代空母に欠かせない斜め甲板もアメリカ海軍スーパー・キャリアーの標準装備であり飛行甲板は重量約40tの艦載機の離発着艦 を行える。これらに加えCTOL機運用の必須アイテムである蒸気カタパルトの装備でアメリカ海軍は他国の如何なる海空戦力の追随を許さない圧倒的な 洋上打撃戦力を維持している。

電子戦・通信装備は常に最新のものに更新されていた。艦橋などに装備されているアンテナ類も時間が経過するにつれ大きく変化している。乗員数が 5.000名を超えるスーパー・キャリアーは艦内に病院やテレビ局まで完備しておりさながら一つの洋上都市を形成している。

(写真右)「キティ・ホーク」艦尾付近

シー・スパロー発射機や20mmCIWSが装備されている。

ヴェトナム戦争から湾岸・イラク戦争まで奮戦した「キティ・ホーク」級

「フォレスタル」級と「キティ・ホーク」級とで確立されたデザインは原子力空母「エンタープライズ」や「ニミッツ」級にも継承されており この2クラスの基本設計が卓越した先見性を持っていた事を証明している。「キティ・ホーク」級は米ソ冷戦、ヴェトナム戦争の時代に竣工しており 多くの実戦に参加する事になった。
ヴェトナム戦争では「キティ・ホーク」、「コンステレーション」、「アメリカ」の3隻が参戦、1991年の湾岸戦争では「アメリカ」、「ジョン・F・ケネディ」 の2隻が、2003年のイラク戦争では「キティ・ホーク」がそれぞれ参戦している。いずれの戦闘でも米軍戦力の中核として大活躍し大型空母の有効性を 如実に証明した。
「キティ・ホーク」級は当初から将来の航空機の大型化・高性能化を見込んで設計・建造されたので、今日に至るまでのアメリカ海軍のあらゆる艦載機の搭載・運用 が可能であった。新型の原子力空母が竣工した後も有力な洋上打撃力としてアメリカの世界戦略に絶大な貢献を果たしてきた。

艦載機や個艦防御兵器は時代と共に変化して来た。
「キティ・ホーク」の最終時における艦載機の内訳は戦闘攻撃機F/A−18E/F、F/A−18C/D、対潜哨戒機S−3B、早期警戒機E−2C、 電子戦機EA−6B、対潜ヘリコプターSH−60Fなどであった。

個艦防御兵器

竣工時の「フォレスタル」級の個艦防御兵器が127mm砲だったのに対して「キティ・ホーク」級はテリア対空ミサイルを搭載していおり、兵装のミサイル化が意識 されていた。後にテリアはシー・スパローに換装されたが更に20mmCIWSやRAWなどの近接防御兵器も搭載されている。

(写真左)「キティ・ホーク」左舷側のRAW近接防御兵器

2009年1月に「キティ・ホーク」が退役し本クラスは現役を去った。

長年に渡りアメリカ海軍の中核として活躍してきた本艦型も90年代以降は老朽化が進行し1996年にはクラスのトップをきって「アメリカ」が退役し最後まで 現役に残っていた「キティ・ホーク」も2009年1月末で退役した。。「キティ・ホーク」はアメリカ海軍最後の通常動力型空母であり本艦の退役によりアメリカ海軍の 空母は全て原子力空母となった。

キティ・ホークCVA−63 1961年6月9日竣工 2009年1月31日退役
コンステレーションCVA−64 1962年1月19日竣工  2003年8月7日退役
アメリカCVA−66 1965年1月23日竣工  1996年8月9日退役
ジョン・F・ケネディCVA−67 1968年1月23日竣工  2007年3月23日退役
※艦種を表す”CVA”は後に”CV”に改められた。

(※要目は「キティ・ホーク」最終時)
満載排水量 83.960t
全長 323.6m
幅 39.6m/飛行甲板最大幅 76.8m
喫水 11.4m
主機/軸数 蒸気タービン4基/4軸
出力 280.000馬力
兵装
 シー・スパロー対空ミサイル8連装発射機2基、RAM近接防御兵器2基、20mmCIWS2基
艦載機
 CTOL機56機、ヘリコプター15機
乗員
 ・固有 2.930名
 ・航空要員 2.480名
 ・司令部要員 70名

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