戦闘ヘリコプターAH−64D @
Boeing/FUJI AH−64D No.1

他の追随を許さない史上最強の武装ヘリ AH−64D

アパッチ・ロングボウ
アメリカ陸軍の主力攻撃ヘリコプターであるAH−64D「アパッチ・ロングボウ」はマグドネル・ダグラス社(現:ボーイング社)が開発した攻撃ヘリコプター AH−64A「アパッチ」を改修して性能向上を行った機体である。最大の改修点はメイン・ローター上に装着されるミリ波を使用したAN/ANG−78ロングボウ 火器管制レーダーを装備した事で情報処理能力が格段に向上した。また、ミリ波アクティブ・レーダー誘導方式の対戦車ミサイルAGM−114Lロングボウ・ ヘルファイアの運用能力が付与され完全撃ちっ放しが可能となり母機の生存性も大幅に向上している。AH−64Dの圧倒的な性能と武装は他の追随を許さず史上最強の 武装ヘリの名に相応しい。
ボーイング社公式サイト AH−64

陸上自衛隊ではAH−1Sの後継機としてAH−64Dを選定  ”対戦車ヘリ”ではなく、”戦闘ヘリ”と分類される

陸上自衛隊では対戦車ヘリコプターAH−1Sの後継機としてボーイング社と富士重工が押すAH−64Dとベル社と三菱重工が押すAH−1W との比較検討を行ってきたが総合能力が優れアメリカ陸軍の主力ヘリコプターであるAH−64Dを採用する事とし平成14年度で初めて2機が予算計上された。 AH−64DはAH−1Sを遙かに凌駕する戦闘能力を持ちスティンガー対空ミサイルを搭載して敵ヘリコプターとの空中戦も可能と対戦車戦闘の範疇を超えた 機体であり陸自では”戦闘ヘリコプター”と分類されている。なお、アメリカ陸軍のAH−64Dは全てAH−64Aからの改修機であるが陸自機はもちろん新造機 である。
防衛省公式サイト AH−64D


(写真上左・上右・右)
習志野演習場で撮影したAH−64D

前席には射撃手、後席には操縦手が搭乗する。コクピットの風防が直線なのはガラスの反射を防ぐ為の措置。

(写真右)木更津駐屯地で撮影したAH−64D
タンデム式コクピット、機外兵装を装備するスタブ・ウイングなどAH−1「ヒュイコブラ」で確立された攻撃ヘリコプターの機体デザインを継承している。

AH−64Dは補助動力装置APUを内蔵しておりエンジンスタート/電子装置チェック時に電源車からの支援が不要となった。エンジン・ノズル右側の内側に APU用排気口がある(左側にはない)。

AH−64DはAH−64Aに比べてコクピット内部も大幅にデジタル化されパイロットの負担を軽減し操作性を向上させている。 タンデム式(縦列式)に配置された前後のコクピットにはそれぞれ1基ずつの単色CRT表示装置が備えられている。この装置は 飛行データ、戦闘情報、気象関係の情報、エンジン等の状況を適確に表示する他、防衛省からの情報もリアルタイムで表示する事が出来る。

AH−64Dのエンジンはゼネラル・エレクトリック社製のGE T700−701Cを石川島播磨重工でライセンス生産したIHI T700 −701Cで2基搭載されている。AH−64Dの武装はヘルファイア対戦車ミサイル、70mmロケット弾、30mm機関砲M230E1 であるが、日本独自装備としてスティンガー対空ミサイルの搭載が可能となっている。なお、現時点でAH−64Dに空対空ミサイルを 搭載しているのは日本の陸自だけである。

※原則として後席で操縦、前席で射撃統制

タンデム式コクピットを採用したAH−64Dは原則として後席で操縦、前席で射撃統制を行うが前後席ともに操縦/射撃統制装置が備えられている。なお、搭乗員は 前後席ともパイロット資格が必要でどちらの座席でも対応できるよう交互に訓練が行われる。


AH−64Dのレーダー、センサー、武装等

AN/ANG−78ロングボウ火器管制レーダー

(写真右)メイン・ロータートップに装備されたAN/ANG−78ロングボウ火器管制レーダー
ミリ波を使用し同時に256目標を探知・識別し優先度の高い16目標をコクピット内の表示装置に表示する。探知距離は8km程度と言われている。 ロングボウは容易に取り外しが可能。

胴体左右両側には兵装搭載用のスタブ・ウィングが装着されている。
写真は左舷側のもので内側がAGM−114Lロングボウ・ヘルファイア対戦車ミサイル・ランチャー、中央が70mm多連装ロケット弾ランチャー、 一番外側にはスティンガー対空ミサイル・ランチャーの架台が見える。なお、兵装は幾つかのバリエーションを選んで搭載する事も出来る。

対戦車ミサイルAGM−114L ロングボウ・ヘルファイア

AGM−114Lロングボウ・ヘルファイアはミリ波誘導方式の対戦車ミサイルで母機からの誘導を必要とせず完全な撃ちっ放しを実現している。射程は 6km程度。

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目標補足照準装置TADS(M−TADS)

(写真左)ロングボウ管制レーダーと並んでAH−64Dの”眼”となるのか機首にターレット式に装備された目標補足照準装置TADSである。
陸自機では日本独自仕様の改良型赤外線画像探知装置アローヘッドを組み込んだM−TADSになっている。 TADSは3つの索敵サイトから構成されている。上部に備えらているのが操縦手用の夜間暗視装置FLIR。下部右舷側に見えるのが照準用暗視装置FLIR、 下部左舷側に見えるのが可視式TV(上)と照準用レーザー(下)。上部サイトは操縦手用ヘルメット、下部サイトは射撃手用ヘルメットと連動して動かす事が出来る。

30mm機関砲M230E1

(写真下)機首下部には30mm機関砲M230EIが装備されている。
この機関砲はチューンガンと呼ばれる型式で外部動力(電気モーター)で駆動され毎分650発の発射速度を誇る強力な機関砲である。TADSと同じく 射撃手のヘルメットと連動して旋回させる事が可能(なお、余談であるがチューンガンは単銃身機関砲であり多銃身機関砲であるガトリング砲とは構造が異なる)



※10機で調達終了と見られていた陸自AH−64Dだが平成23年度以降、調達が復活した。

AH−64Dは2号機までは輸入機であったが3号機以降は富士重工でライセンス生産された。 AH−64Dは現時点において世界最強の武装ヘリコプターである事に疑いの余地はなく、アメリカ、日本の他、イギリス、イスラエル、オランダ、ギリシャ、 台湾などでも導入が進んでいる。しかし、製造元であるボーイング社の生産ラインが閉鎖される事が決定し加えて調達価格が高騰する事態となり継続 して導入する事が困難な状況になった。 防衛省では平成19年度までに予算化された10機で調達を終了するとしていたが平成23年度以降の中期防衛力整備計画では3機の調達が予定されており 23,24年度予算で各1機が予算承認されている。今後の動向が注目される。



製作 ・機体 ボーイング社(輸入)、富士重工(国産)
・エンジン ジェネラル・エレクトリックス(輸入)、石川島播磨重工(国産)
メインローター直径 14.63m
胴体幅 5.7m(「スティンガー」ランチャー装着時)
全長 17.73m
胴体長 14.97m
全高 4.95m(「ロングボウ」装着時)
最大全備重量 10.4t
エンジン ターボシャフト・エンジン2基(搭載エンジン:GE(国産機はIHI)T700−701C
エンジン出力 1.890shp×2
最大速度 266km/h
巡航速度 210km/h
航続距離 400km
実用上昇限度 5.130m
乗員 2名

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海鷲の末裔



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