96式装輪装甲車 @
TYPE96 WAPC No.1

陸自機械化を担う我が国初の8輪駆動式装輪装甲車

クーガー
96式装輪装甲車は陸自普通科部隊の機械化を促進するために開発された我が国初の8輪駆動式装輪装甲車である。
陸上自衛隊で普通科部隊に配備される兵員輸送用装甲車は昭和30年代に60式装甲車を国産開発して以来、73式装甲車、 89式装甲戦闘車といずれもキャタピラを採用した装軌車両であった。これらの装甲車は戦車に随伴出来る路外機動性が最重視されており 装軌式となったのは当然の成り行きでもあった。

※日本では欧州に比べ装輪車両導入は遅かった

早くから道路網が発達していたヨーロッパに比べて日本は昭和40年頃までは地方の道路の整備状況が立ち遅れており装軌車両に 比べ路外機動性に劣る装輪式装甲車両を採用する考えはまだ芽生えていなかった。 しかし、その後の急速な道路整備の進行と技術の進歩が日本における装輪式装甲車両の開発・配備を後押し する結果となる。1980年代に入ると戦後初の装輪式装甲車両である82式指揮通信車が制式化され続いて82式のファミリー車両で ある87式偵察警戒車も配備が開始された。
一方、80年代末には強力な武装を持ち性能的にも世界水準にある89式装甲戦闘車も開発され配備が始まっていたが1両あたりの 調達価格が7億円にも達し期待された配備数量の実現には程遠い状況であった。このような中で陸自内部でも比較的安価で優れた路上 走行性を持つ普通科部隊配備用の装輪式装甲車両の開発の意義が強く認識されるようになった。 平成4年度から開発が開始され平成8年度には96式装輪装甲車として制式化されている。乗車戦闘を原則とする89式装甲戦闘車に対して96式は下車戦闘 を原則とし運用にも差がある。96式は高機動ではあるが装甲防御力では戦車に遠く及ばず軽武装でもあり対機甲戦には向かない。”戦場のタクシー”と称されるAPC の仲間であり歩兵支援車両と言えよう。


(写真右)96式装輪装甲車は8輪駆動前4輪ステアリングを採用。
後部2輪にショック・アブソーバーが装着されているのが分かる。従来の陸自車両とは大きく異なる外観だ。

(写真左)後部ランプは油圧操作の下開き式
(写真下)車体前方右舷側にある車長用キューポラ。96式自動40mm擲弾銃用と12.7mm重機用とで形状が異なり武装を変更する場合にはキューポラごと 交換させる必要がある。96式の乗員は2名。車体右舷側前方に操縦手、その後ろに車長が搭乗する。車長席の左側には小銃班長席がある。


96式装輪装甲車は圧延鋼板を使用した一体全溶接モノコック構造。
パートタイム式の8輪駆動方式であり通常は後部4輪のみが駆動する。ステアリングは前4輪のみである。エンジンは車体前方左舷側に配置されている。 車体は垂直デザインで避弾形状はほとんど考慮されていない。反面、車内容積を広く確保するという点では有利と言える。乗員は車長と操縦手の2名、加えて 普通科隊員9名が搭乗する。車体後部には8名が搭乗出来るが向かい合わせ式のベンチ・シートになっている。 車体両側に5個(右舷2個、左舷3個)の防弾ガラスを使用した外部視察用窓が設けられている。

(写真左)96式の車体後部 第10戦車大隊所属車両
(写真下)車体後部両側に4連装煙幕発射機が装備されている。後部上面には4個のハッチがある。



調達価格は1両あたり約1億円と比較的安価、配備は順調に進んでいる

タイヤはラジアル式コンバット・タイヤを採用。車内からタイヤの空気圧を調整するCTIS(タイヤ空気圧中央調整システム)を装備 しており走行状況に合わせて最適な空気圧調整を行う事が出来る。 96式装輪装甲車の1両あたりの調達価格は約1億円と言われこの種の車両としては比較的安価と言える。 平成24年度までに346両が予算化され普通科を中心に機甲科や特科など部隊配備も順調に進んでいる。96式は国土防衛のみならず国際協力任務の中核を担う 存在でもあり紛争地帯への派遣に備え今後は武装と装甲の強化が課題。最近では装甲強化型の96式装輪装甲車U型も登場している。


製作:小松製作所
全備重量 約14.5t
全長 6.84m
全幅 2.48m
全高 1.85m
最低地上高 0,45m
エンジン 水冷ディーゼル4サイクル6気筒
出力 360ps/2.200rpm
武装
・96式40mm自動擲弾銃1基もしくは12.7mm重機関銃1基
乗員 2名プラス普通科隊員8〜9名

目次へ

海鷲の末裔

デジタルカメラケース Motif.HARD(ハードケース/デジカメケース/かわいい/おしゃれ)

デジタルカメラケース Motif.HARD(ハードケース/デジカメケース/かわいい/おしゃれ)