93式近距離地対空誘導弾 @
TYPE93 SAM N0.1

(写真上)第1高射特科大隊の93式近距離地対空誘導弾

近SAM
93式近距離地対空誘導弾(93近SAM)は35mm高射機関砲L−90の後継として師団、旅団レベルでの低空域防空を担当する為に東芝を主契約者として 国産開発された地対空ミサイルである。ミサイル本体は同じく東芝が開発した91式携帯地対空誘導弾(91携SAM)を使用し発射機は 高機動車のファミリー車体に搭載されている。

※従来の35mm級機関砲を更新する地対空ミサイルとしての存在意義

往来、35mm〜40mm高射機関砲が担当していた防空域は3.500mから4.000mほどであったが、1980年代以降の 対戦車ミサイルの性能向上は目覚しいものがありアメリカ製のTOWや旧ソ連・ロシア製のAT−6は射程が5.000〜6.000mに達して いる。35mm〜40mm級の高射機関砲ではこれら射程の長い対戦車ミサイルを搭載した攻撃ヘリコプターにアウトレンジされてしまう事態が現実の ものとなってきた。
80年代にアメリカ陸軍が師団防空の要として開発していた40mm機関砲搭載の対空自走砲M−247「サージェント・ヨーク」が制式化されてすぐに キャンセルされてしまったのはアメリカ利軍が35〜40mm機関砲では新しい脅威に対抗出来ないと判断したためであり現在では射程5.000m以上の 地対空ミサイルが各国の師団、旅団防空の主力になってきている。
陸上自衛隊ではL−90の後継としてL−90と同系の35mm機関砲を74式戦車のファミリー車体に搭載した87式自走35mm高射機関砲 を開発したが87式は高価な為に配備が進まず、更に射程の長い対戦車ミサイルを搭載した攻撃ヘリコプターにより87式の有効射程外から攻撃される可能性が 大きな不安材料として指摘されはじめた。

※91式携帯地対空誘導弾を自走化した93式近距離地対空誘導弾

ところで自衛隊では80年代からアメリカ製赤外線誘導方式の個人携帯式地対空ミサイル「スティンガ」を導入しており、90年代に入ると赤外線誘導に 加えてCCDカメラによる画像誘導も可能とした国産の91式携帯地対空誘導弾(携SAM)の導入がはじまった。
91携SAMは射程が5.000mに達し、正面方向を含む全方向からの追尾、敵味方識別装置を搭載するなど優れた性能を持つ新世代の対空ミサイルで これを自走化させたものが93式近距離地対空誘導弾(近SAM)である。近SAMのミサイルはターレットの左右に1基ずつ装備された4連装ランチャー (搭載ミサイル計8発)に収納される。誘導方式は画像+赤外線方式を採用しており自己完結型。但しレーダーは装備していないので他から情報を得る必要が ある。師団/旅団の高射特科部隊に配備されている。93式近SAMは平成5年度に調達が開始され平成20年度までに計113セットを導入して調達を終了した。

(写真左)第10高射特科大隊の93式近距離地対空誘導弾発射機
近SAMは師団/旅団の高射特科隊に配備されている。 発射機は高機動車のファミリー車体に搭載されており牽引式のL−90を大きく上回る機動性を持つ。車体前部には通信用アンテナが装着されている。

(写真左)
第1高射特科大隊の93式近距離地対空誘導弾発射機

(写真左)ランチャーは4連装×2でミサイルを計8発搭載
ランチャー基部には可視光テレビカメラ、赤外線センサー、レーザー受光/発振機が 装着されている。

(写真左)
93式近距離地対空誘導弾発射機を後方から見た姿

(写真左)93式近距離地対空誘導弾の射撃姿勢

(写真左)
93式近距離地対空誘導弾は車外からの操作が可能
目視照準サイトが装着されたヘルメットを被った射撃班長が目視で敵機を確認する。

93式近SAMランチャーの旋回の様子

製作 東芝
ミサイル本体要目
・全長 1.43m
・胴体直径 0.08m
・重量 約11.5s
誘導方式 画像+赤外線

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