88式地対艦誘導弾
TYPE88 SSM

80式空対艦誘導弾から発達した地対艦ミサイル

88式地対艦誘導弾は航空自衛隊が装備している日本初の国産対艦ミサイルである80式空対艦誘導弾ASM−1をベースに開発された。
80式は開発当初から各部がモジュール化(誘導部、飛行制御部、弾頭部、ロケットモーター部、操縦部)されており将来に向けての近代化が考慮された設計であった。 88式地対艦誘導弾をはじめ海上自衛隊の90式艦対艦誘導弾など各種の派生型が生まれており我が国の兵器開発史上に特筆されるべき存在と言える。

※陸自初の本格的な対着上陸作戦能力を備えた88式地対艦誘導弾

陸上自衛隊は長らく本格的な対着上陸作戦能力を有しておらず海・空自の洋上打撃力に頼る事態が続いていたが88式の装備で初めて本格的な戦力を持つに至った。 88式は陸自の対着上陸作戦の要として計画されており誘導方式など日本独自の技術がおり込められた。 88式はシステム全体の秘匿性・残存性を高める事が重視されており発射機や射撃統制装置などは敵に発見され難く生存性が高い内陸部に展開させる運用思想である。 沿岸部には捜索・評定レーダーが進出し中継装置を経由して情報を射撃統制装置に送る。他国の地対艦ミサイルは沿岸部に発射機が展開するのが一般的であり 88式は世界的に見ても非常に高度なシステムを構成している。 内陸からミサイルを発射する為に最も重要な要素は地形追随機能である。捜索・評定レーダーから得られた発射データをコンピューターにプログラムする。 発射されたミサイルはそれに従い地形に追随し飛翔、海上に達した後に慣性誘導から終末誘導(アクティブ・レーダー・ホーミング)に切り替えられる。 88式は目標選択がランダムで可能であり同一目標に複数ミサイルが集中する事を避ける事が出来る。推進方式も独特の機構で第一段階では固体燃料ロケット、 これが燃焼後はターボ・ジェットで飛翔する。

(写真右)射撃準備中の発射機
射撃姿勢ではアウトリガーを拡張する。発射機は7tトラックに6連装発射筒を装備している。

(写真上左)7tトラックをベース車体としている装填機

(写真上右)射撃統制装置FCS
3・1/2トラックの車体に搭載されている。

地対艦ミサイル連隊の編成

本部管理中隊(捜索・標定レーダー12基、中継装置12基、射撃統制装置CCV 4基)
   ┃
   ┣ 第1射撃中隊(射撃統制装置FCS 1基、発射機4基、装填機4基)
   ┣ 第2射撃中隊(射撃統制装置FCS 1基 発射機4基、装填機4基)
   ┣ 第3射撃中隊(射撃統制装置FCS 1基、発射機4基、装填機4基)
   ┣ 第4射撃中隊(射撃統制装置FCS 1基、発射機4基、装填機4基))
   ┗ 直接支援隊

地対艦ミサイル連隊の部隊の統廃合など今後の展望

88式地対艦誘導弾を装備する地対艦ミサイル連隊は最初の部隊編制が平成4年に行われ第1地対艦ミサイル連隊が新編された。 以後、計6個連隊が編成されたが冷戦後の軍事情勢などから部隊の統廃合が検討され平成23年4月に第6地対艦ミサイル連隊が廃止され更に1個連隊の廃止が 決定している。最終的には3個連隊+2個大隊程度まで削減されると思われていたが増強 著しい中国海軍の動向を睨み南西諸島方面への地対艦ミサイル部隊の展開も取り沙汰されるなど今後の動向は流動的と言える。加えて最近の北海道周辺での ロシア軍の活発な動きも考慮されるべきであり地対艦ミサイルの縮小・削減はむしろ時代に逆行する。なお、88式の性能向上型の開発も進められている。

製作 三菱重工
全長 約5.000mm
胴体直径 約350mm
重量 約660s
射程 100km以上
誘導方式 慣性誘導+アクティブ・レーダー・ホーミング

目次へ

東日本大震災 岩手(DVD)

東日本大震災 岩手(DVD)