
中SAM
03式中距離地対空誘導弾(中SAM)は改良ホークの後継として陸上自衛隊の方面高射特科部隊に配備するために三菱電機を
主契約者として開発された国産の地対空ミサイルである。
陸自高射特科の主力として長年に渡り使用されてきたホークは数度のマイナーチャンジを受けて能力を向上させてきたが近年では
さすがに改良・発展の限界に達しており後継ミサイルの必要性が認識されていた。
ホークの後継ミサイルは欧米との共同開発案もあったが最終的に国内開発されることになり平成8年度から平成14年度
にかけて開発が行われた。
開発にあたり重視された機能は
@低空・多目標対処能力
A全周交戦能力
B巡航ミサイル対処能力
C高度のECCM能力
D垂直ミサイル発射装置VLSの採用
Eシステム全体に高い機動性を与え生存性を高める
等である。
ミサイルの誘導方式は発射から中間段階までは中間司令誘導、終末段階はアクティブ・レーダー・ホーミングを採用。中SAMの構成は対空戦闘指揮装置、 射撃統制装置、幹線無線電送装置、幹線無線中継装置、 6連装発射機、射撃用レーダー装置、運搬装填装置、レーダー信号処理兼電源車からなる。
射撃統制装置/幹線無線電送装置
(写真左)無線電送装置
(写真左)射撃統制装置
これらは高機動車に搭載されている
発射機
(写真左)アウトリガーを展開した発射機
03式中距離地対空誘導弾は6連装発射機に垂直ミサイル発射装置VLS採用している。この状態ではブラスト・デフレクターは格納されたまま。
(写真下)発射機の走行姿勢
(写真左/下)発射機の発射姿勢
ブラスト・デフレクターも地上に設置されている。03式はVLSを採用したことにより発射スペースを最小に押さえる事が可能。
射撃用レーダー装置
(写真左/下)射撃用レーダー装置
フェーズド・アレイを採用し捜索任務を兼務するシステムの”眼”。写真はレーダーアンテナを展開した状態。
発射機と同じ重装輪車に搭載されている。
(写真左)運搬装填装置
(写真下)レーダー信号処理兼電源車。ともにベース車体は重装輪車を使用している
※03式装備の高射特科群の編成
群本部
┣ 本部管理中隊
┣ 高射中隊
┣ 高射中隊
┣ 高射中隊
┣ 高射中隊
┗ 高射搬送通信中隊
※03式は高価な為、配備があまり進捗していない。
03式中距離地対空誘導弾は平成15年度に制式化された。世界第一級の地対空ミサイルで性能は世界水準にあるが調達価格が高騰しており未だに配備は少数 に留まっており改良ホークを完全に更新出来ていない。平成24年度までの調達数は教育所要を含め13個中隊分。 平成22年度からは巡航ミサイルや空対地ミサイルに対処する能力を付与する03式中距離地対空誘導弾(改)の開発が スタートしている。
製作:三菱電機
※ミサイル本体要目
全長約4.900mm
直径約320mm
重量約570s
※1ファイア・ユニットの構成
対空戦闘指揮装置
幹線無線電送装置
幹線無線中継装置
射撃統制装置
射撃用レーダー装置(フェーズド・アレイ・レーダー)
レーダー信号処理・電源車
6連装発射機
運搬装填装置
海鷲の末裔