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カオスの娘シャーマン探偵ナルコ 

6月5日全国発売 集英社刊  

人生を変える一冊かもよ。        

   

 夢は売ったり、買ったりすることができる。

 

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 人間は自然の中で暮らし、自然の恩恵を受け、自然に威圧され、時に自然を変化させ、そしてまた自然に還っていった。太古の狩人たちは自然との関わりの中から独自の信仰を編み出した。動物だけでなく植物や鉱物、山や川、雨や風、さらには道具にも霊が宿っていると考えた。それは、教義も、教会も、聖典もなく、教祖や聖職者さえも存在しない世界共通の宗教であった。霊と交わり、魂の旅をし、あの世を見、恍惚の境地に入るシャーマンがその宗教の儀礼を司っていた。彼らは夢のお告げに従い、残酷な運命に向き合った。「シャーマン」はシベリアの狩猟民ツングース諸族の言葉である。呪医であり、祭司であり、霊能者でもあるシャーマンの存在と役割はシベリア、モンゴルのみならず、アフリカ、東南アジア、東アジア、北極圏、北米、アマゾンに至るまで、共通しており、その広がりはグレートジャーニーの足跡と重なる。シャーマン、そしてこの世界共通の自然宗教は、キリスト教や仏教、イスラム教などの世界宗教や近代主義によって、迫害されたが、その命脈は尽きたわけではない。夢見るシャーマンの時代は終ったが、いずれまた彼らの出番が巡ってくる。今日の情報資本主義社会においてさえも、シャーマンが果たしうる役割は残っている。          img13.jpg

 

――生きていれば、いやなこともあるし、いやな夢も見る。いい人間になるためにはつらい思いもしなければならない。自分が見た夢が何をおまえに伝えようとしているのかがわかるようになったら、おまえも一人前だ。でも、祖母ちゃんはそれまで生きていられないだろうな。

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ここは何処なのか、なぜここにいるのか、何をされているのか、何が何だかわからなかった。どうやら他人の家のようだった。ジャージ姿の見知らぬ男がすっかりくつろいだ様子で、彼女を見ていた。その男が浮かべる微笑が恐ろしくて、「あああああああ」と赤ん坊のように泣き叫んだ。そうしなければ、殺されると思ったから。だが、大声を出すと、不思議と恐怖が和らぎ、自分をどうするつもりか、男に問いかける余裕を取り戻していた。

――あなたは誰?

彼女の声はかすれていた。自分の声なのに聞き覚えがなかった。

――オレは魔王子だ。

マオウジ?このふざけた名前、ふざけたシチュエーションに腹が立った。悪夢を見ていると思いたかったが、手足の痛みは紛れもない現実だった。

――名前をいってみな。

名前は……もちろん持っている。でも、「ま」といったきり、次の音が出てこなかった。度忘れなら、いずれ思い出す。ポケットに入れたはずの財布が見つからないような感じだった。ヒトはどうすれば、自分の名前を忘れられるのだろう?

 

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