今週の一曲

第一回

"Uh! Oh! Part 2" - The Nutty Squirrels

 昔、TVでは山ほどの外国漫画映画を放映してました。昭和38年、初の国産アニメーションシリーズ「鉄腕アトム」が製作されるずっと前は外国アニメしかなかったのです。

 「ポパイ」や「ウッドペッカー」、「マイティマウス」や「ヘッケルとジャッケル」などはまだ番組表にタイトルが出るし、そのキャラクターの短編だけで30分番組を構成しているものもありました。特にワーナー・ブラザースのルーニートゥーンは、「漫画バッグス・バニー」などと言う適当な邦題ではありましたが、内容はバッグスやダフィなどのルーニートゥーンキャラクターを使ったバラエティショーでした。

 そして、上記以外の細かい短編アニメは、番組表に「マンガ」としか書かれず、「マンガの国」とか「マンガ動物園」とか云ったタイトルで隙間の5、6分に放映されていました。

 39年、NET(後のテレビ朝日、関東では10チャンネルかな?)から不思議なマンガ映画番組が登場しました。土曜日の6時15分から45分までの時間帯は、子供向きのゴールデンタイムの様な物でしたが、その番組はとても奇妙なショーで、現在では記憶している人は非常に少ないでしょう。

 題名は

「ナッティ・ドリームランド」

 原題は

The Nutty Squirrels Present

 

 で、一体何が奇妙なのかと云うと、キャラクターも何も出てこない実験的な短編アニメ(普通のもありましたが・・)何本かを見せると云う大胆な構成で、原題にも出てくるビートニックのリス2匹(これがナッティ・スクワラルズですね)は単なる狂言回し、作品を紹介するだけ・・・・。

 ちょっとけだるい様な独特のムードを持ったシリーズでした。調べてみると放映されていた短編は最初は外国製の物だったそうで、どうりで普段見ていたハリウッド製漫画映画とまったく雰囲気が違っていたのは、当然と言えば当然だったのですね。

 小生は、エドガー・アラン・ポーの「裏切る心臓」(「物言う心臓」の邦題もあり)を元にした短編アニメをこのシリーズで見たのですが、物凄くシュールな作品でした。

 

 そもそも、このナッティ・スクワラルズとは何者なのか?        Nutty

 

 実は、この2匹のリスは元々アニメのキャラクターとして誕生した物ではなかったのです。

 1950年代の終り、「アルヴィン&チップマンクス」と云うノベルティバンドの音楽がブームになりました。これは、後にアニメになったのでご存じの方も多いでしょう。

 音楽は、テープ早廻しの声でポップスを歌うと云うもので、レコードが売れに売れました。この成功は、多くの亜流(と言うか、パクリ?)を産み出しました。その中で最も異色で、ある意味本格派だったのが、"ナッティ・スクワラルズ"でした。

 ジャズマン、ドン・エリオットとTV界で活躍していた作曲家アレックス・バーランドによって産み出されたナッティ・スクワラルズはチップマンクスのポップスに対してスキャットを多用したジャズを歌いました。16回転で録音して33回転で再生、独自の世界を創り出したのです。

 バックを担当したのは、サックスのキャノンボール・アダレイやフルートのボビー・ジャスパー、クラリネットのサム・モストなど当時NYで売れていた一流ジャズマン達、即日大手レコードレーベルが契約に乗り出しました。

 1960年には、アニメが製作され、シリーズとして放映されました。チップマンクスのアニメより1年早かったようです。そして日本の放映が始まった1964年(昭和39年)3枚ほどのLPを残してナッティ・スクワラルズは解散してしまいました。

<今週の一曲>は、この通好みのバッタモンバンド"ナッティ・スクワラルズ"の初期のナンバー

Uh! Oh! Part 2 。

 アニメシリーズのテーマとしても使われた曲です。

 聴ける場所は以下のリンクです。

 

http://www.toontracker.com/nutty/nutty.htm

ここには、Uh!Oh! Part2の他、ビバップの草分けSalt Peanutsもあります。

 

http://www.toontracker.com/demented/demented.htm

ここは海外アニメ関連音楽の宝庫で、懐かしのビルボードヒット「スヌーピー対レッドバロン」やベティ・ブープ版「ミニー・ザ・ムーチャー」などもあります。

 

NuttyAlbum