伊藤若冲画 動植綵絵三十幅

 

 

 

【芦雁図】

 1765〜66年 絹本著色

 縦142.5 x 横79.6cm

 

 

氷の張った水面に向かって、着陸できそうにない角度で雁が急降下していく。その恐怖の表情も合わせて、若冲自身の死に対する恐れが表現されていると思える。粘着質の雪の方がかえって生き物のような蠢きを見せる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【群魚図】

 1765〜66年 絹本著色

 縦142.6 x 横79.3cm

 

 

中国の藻魚図に較べて遊泳のさまはあまりに単調だし、川魚と海魚が一緒に泳いでいるのも不自然だ。「動植綵絵」のうちの最も凡庸な2幅だろうが、それでも親子の蛸がからむ様子は笑いを誘うし、イカの足、イサキの鰓付近近、トラフグの斑紋などに若冲らしい形の遊びがあり、楽しめる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【群魚図】

 1765〜66年 絹本著色

 縦142.1 x 横79.2cm

 

 

 

 

 

 

 

【地辺群虫図】

 1761〜65年 絹本著色

 縦142.3 x 横79.5cm

 

 

種々の昆虫、蛙、トカゲ、オタマジャクシ、蛇、蜘蛛などが違う光景に活気を与えているのは、踊るような蔓の動きを見せ、左下ではお化けの顔にもなる瓢箪。虫たちは既成の図を再利用したものもあり、意外に静かだ。

 

 

 

 

 

 

【蓮池遊魚図】

 1761〜65年 絹本著色

 縦142.5 x 横79.4cm

 

 

私たちはこの光景を水中で眺めているのか、水上から見下ろしているのか。いつのまにか視覚が移動する。中国の蓮池図に基づくのだろうが、複数の視点を混在させた明の藻魚図にもあり得ない歪んだ空間を持つ。

 

 

 

 

 

 

【菊花流水図】

 1765〜66年 絹本著色

 縦142.8 x 横79.0cm

 

 

菊の下を流れる水を飲むと長寿が得られるという故事を踏まえるか。菊は亡き父と末弟への献花か。俗世間の重力を逃れてゆるやかに弧を描き、空中に大輪の花をつける。光琳風の流水の曲線が、それと柔らかにかえらむ。

 

 

 

 

 

 

【芍薬群蝶図】

 1757年 絹本著色

 縦142.1 x 横79.5cm

 

急遽な中心を取り囲み、芍薬は首を伸ばし、蝶は浮遊する。花びらには胡粉で半透明の質感が与えられ、蠢く曲線が花芯からも広がっていく。款記の形式も初期作品と共通する、「動植綵絵」のたぶん最初の1幅。

 

 

 

 

 

 

 

【薔薇小禽図】

 1761〜65年 絹本著色

 縦142.7 x 横79.6cm

 

 

ゆるやかな曲線を繰り返し、正面向きの同じ形の花弁を並べて浮遊する三種類の薔薇は、眼や生殖器のような妖しい表情を見せる。枝上でポーズを取る小禽が画家の署名・印章を見上げているらしいのも、何だかおかしい。

 

 

 

 

 

 

【老松鸚鵡図】

 1760年 絹本著色

 縦142.5 x 横79.5cm

 

 

松・水流・土坡の円弧は右側へ撓む動勢を生むのに対し、3羽の鳥は一様に画面左外を見つめるという異常な構図を作る。このような意匠の工夫により、異国から連れてこられた鸚鵡やインコに対する人々の感傷は高まった。

 

 

 

 

 

 

【老松白鶏図】

 1760年 絹本著色

 縦142.6 x 横79.6cm

 

 

 

「動植綵絵」の鶏はみな芝居がかったポーズを取るが、この双鶏はその極致。「松樹番鶏図」の鶏、松樹、旭日は、ここまで変貌した。羽毛は、黄色の染料を塗った上に胡粉で精細な描写をしているらしい。

 

 

 

 

 

 

【紫陽花双鶏図】

 1759年 絹本著色

 縦142.8 x 横79.8cm

 

 

現実の物に輪郭線がないように、若冲の著色画はほとんど輪郭線がない。大部分の形象は色の面で表される。鶏、躑躅、薔薇の細密描写も紫陽花の萼1枚ずつを塗り分ける技巧も脅威の集中力に成る。

 

 

 

 

 

 

【群鶏図】

 1761〜65年 絹本著色

 縦142.1 x 横79.5cm

 

 

雄鶏の美を求めた果てに登場する13羽の織物。羽毛の文様は、現実の鶏の羽毛の型に基づいてはいるのだが、渦巻のように広がり、観る者の眩暈を呼ぶ。まるで全体で1匹の怪物が形作られているようにも見える

 

 

 

 

 

 

【南天雄鶏図】

 1761年 絹本著色

 縦142.2 x 横79.4cm

 

 

画面を埋め尽くすようなモチーフの増殖と、画家の情念の噴出と見える造形が特徴的だ。この黒い軍鶏の攻撃性と赤い南天の実が分裂していくさまとは、まさに典型といえる。

 

 

 

 

 

 

【雪中鴛鴦図】

 1759年 絹本著色

 縦141.8 x 横79.0cm

 

 

夫婦和合の象徴である鴛鴦は寄り添って描かれるのが普通だが、若冲は必ず雌雄を離して、雌だけを水に潜らせる。ここでは特に、雪の凍りついた柳の枝が、雌を突き沈める鋭い針のような形象をしているのが衝撃的だ。

 

 

 

 

 

 

【梅花小禽図】

 1758年 絹本著色

 縦142.8 x 横79.7cm

 

 

動植綵絵の中では凡作の部類に属するが、それでも例の屈曲する梅と円弧を描く土坡に8羽の鶯を明清の花鳥画のようにあしらい、和歌でも詠まれ続けてきたお定まりの主題を見慣れぬ光景に一変してみせる。

 

 

 

 

 

 

【老松白鳳図】

 1765〜66年 絹本著色

 縦142.3 x 横79.0cm

 

 

「旭日白鳳図」のうち雄の鳳凰だけが、白い羽毛に着替えて登場した。表情も羽の造形もなまめかしい。女性の服装と化粧をした男性のような白鳳と、彼を見つめる山鳩とは、若冲の秘めた欲望を映すようだ。

 

 

 

 

 

 

【老松孔雀図】

 1760年 絹本著色

 縦142.5 x 横79.6cm

 

 

南蘋派の画家、岡岷山が類品を描いているので、おそらく沈南蘋の絵画が源流にあると推測する。しかし、若冲の絵はどんな原本よりも美しく整えられているに違いない。

 

 

 

 

 

 

【梅花皓月図】

 1760年 絹本著色

 縦142.9 x 横79.3cm

 

 

1755年の「月梅図」と同一の構図だが、花弁の胡粉は均一の調子で塗られるのではなく、もっと複雑な濃淡の変化をつけている。月光を透かす梅花の姿を写そうという意識によるものだろう。

 

 

 

 

 

 

【雪中錦鶏図】

 1761〜65年 絹本著色

 縦142.1 x 横79.5cm

 

 

痙攣的な美しさにおいては「動植綵絵」の白眉。翌檜の枝葉に積もる粘液状の雪や、雪にあいた穴は、分裂病者が描く自画像に現れる表徴にも似て、自分の肉体の属する世界が侵食される不安を示すかのようである。

 

 

 

 

 

 

【向日葵雄鶏図】

 1759年 絹本著色

 縦142.5 x 横79.7cm

 

 

向日葵と雄鶏とで花鳥画を描くなどという試みはたぶん史上初だろう。現実に栽培されていた向日葵を観察した違いないが、そこに朝顔までからめるのは、自然の豊穣を画面で強調するための作為といえよう。

 

 

 

 

 

 

【棕櫚雄鶏図】

 1761年 絹本著色

 縦142.5 x 横79.6cm

 

 

雌雄の組み合わせという通例を破り、2羽の雄鶏を向き合わせる。若冲の絵画はときに男の子の夢の世界を思わせる。棕櫚の葉の付け根がみな穴を開けたように描かれているのも、何かを貫通したい気持ちの表れであろうか。

 

 

 

 

 

 

【芙蓉双鶏図】

 1760年 絹本著色

 縦142.9 x 横79.6cm

 

 

倒立する雄鶏に体を反らせる雌鶏。土坡は動的な円弧となり、鉄線と芙蓉も軽やかだ。12幅を観た「動植綵絵」の中で、大典はこの絵について最も長い記述をしている。彼にとってもおもしろい図様だったのだろう。

 

 

 

 

 

 

【大鶏雌雄図】

 1759年 絹本著色

 縦142.3 x 横79.6cm

 

 

「動植綵絵」に8幅を数える鶏のうちでも鶏の体が最も入念に描かれた1幅。若冲の写した鶏は、日本古来の品種が園芸植物のように交配を重ねられて美麗さを増したもので、その羽毛の美が見事に再現されている。

 

 

 

 

 

 

【梅花群鶴図】

 1761〜65年 絹本著色

 縦142.0 x 横79.6cm

 

 

文正や陳伯冲の描く鶴をもとに鶴の姿をデフォルメし、光琳の図案風に重ね合わせる遊戯は初期作品にもあった。ここではそれが画面いっぱいに表され、とげとげしい屈曲を見せる梅の枝と押し合う。岩の描き方が珍しい。

 

 

 

 

 

 

【牡丹小禽図】

 1761〜65年 絹本著色

 縦143.0 x 横79.3cm

 

 

画面いっぱいに花卉を描く絵画は古代中国から存在したが、ここまで徹底した作品は珍しい。余白を残すまいとするかのように牡丹とコデマリが咲く。窒息しそうな空間を遊ぶ2羽の小禽の眼は、虻を追いかけている。

 

 

 

 

 

 

【桃花小禽図】

 1761〜65年 絹本著色

 縦142.6 x 横79.6cm

 

 

若冲が描こうとした自然は、生命力に満ちた本質であって、現実に存在する個別の事象ではない。鳩と鶯を配するこの桃の木の形が、「梅花皓月図」の梅を描き換えたにすぎないとしても、それが何だろう。

 

 

 

 

 

 

【紅葉小禽図】

1765〜66年 絹本著色

縦142.2 x 横79.1cm

 

 

紅葉の色が多彩で美しい。幾何学的な形への好みは続いているが、激しく屈曲する折れ線や蛇行し渦巻く曲線はない。「動植綵絵」終わり近くに制作されたこの図などは、若冲の様式が新しい段階に入ったことを示している。

 

 

 

 

 

 

【秋塘群雀図】

 1759年 絹本著色

 縦141.9 x 横79.7cm

 

 

同一パターンを繰り返す雀の群れが不安な感じをもたらす。若冲以前に、稲穂に群がる雀を描く絵画がある。その種の情景と飛来する雀とを組み合わせたらしく、空間がうまく連続していないが、別に何の問題でもない。

 

 

 

 

 

 

【貝甲図】

 1761〜65年 絹本著色

 縦142.0 x 横79.1cm

 

 

京都人・若冲はたぶん海を知らない。木村蒹葭堂のコレクションしていた標本などをもとに正確に写生したと思われる多様な貝は、波が触手のようにからまり合い、岩がお化けの顔になる、あり得ない砂浜に並べられている。

 

 

 

 

 

 

【芦鵞図】

 1761年 絹本著色

 縦142.4 x 横79.4cm

 

 

精緻に描写された白い羽毛の鵞鳥と墨で荒々しく表された芦との対比が、おどろおどろしい。若冲がかつて模写した「猛虎図」などにあった、著色と水墨の技法が混在する特徴を極度に強調したのだろうか。

 

 

 

 

 

 

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